森原康平(楽天)、有吉優樹(ロッテ)も同じくセットアッパーとして活躍している。

 森原は開幕から勝ちパターンの7回を任せられ、4月終了時点では15試合に登板して防御率0点台とチームのスタートダッシュに大きく貢献した。球種は少ないが150キロを超えるストレートは威力十分。5月下旬からは打ち込まれることが増え、現在は敗戦処理での登板が多いが、楽天躍進の立役者の一人であることは間違いない。

 有吉も当初は負け試合での登板が多かったが、初登板から10試合連続無失点を続け、首脳陣の信頼を勝ち取った。驚くようなスピードや凄い決め球はないが、バランス良いフォームで安定感があるのが特長。緩急の使い方もうまい。開幕から一度も二軍落ちしていないのも立派だ。

 左の中継ぎで存在感を示しているのが高梨雄平(楽天)だ。社会人でサイドスローに転向し、ボールに独特の角度があることが特長。シュートとスライダーの対になるボールで両コーナーを突き、左打者には圧倒的な強さを誇っている。

 野手では源田以外に目立つルーキーは見当たらないが、武田健吾(オリックス・5年目)が交流戦で首位打者争いを演じる活躍を見せた。運動能力の高さは高校時代から評判で、課題だったバッティングも年々向上している。吉田正尚が復帰してからは出番が減少し、8月31日には登録抹消となったが、チームにとって貴重な右打者だけに今後もチャンスは与えられるだろう。

 高校卒のルーキーの投手では、藤平尚真(楽天)と山本由伸(オリックス)が早くも一軍で初勝利をマークしている。藤平はコントロールに課題が残るものの、高校時代と比べると躍動感がアップし、ストレートで押すピッチングができるところが頼もしい。山本も、体つきはまだ細いが、150キロを超えるストレートと鋭く変化するスライダーは、一軍でも十分通用することを証明した。

 また、堀瑞輝(日本ハム)も登板数は多くないが二軍で見事なピッチングを見せており、今季中の一軍先発起用も噂される。三人とも来年以降はローテーションの期待がかかり、今後リーグを代表する投手に成長していく可能性も十分にあるだろう。(文・西尾典文)

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