9月1日、民進党代表選が実施され、前原誠司元外相が、対立候補の枝野幸男元官房長官に大差をつけて新代表に選出された。一方、政界では、野党再編の動きが加速し、その主役の座は、残念ながら民進党ではなく、小池新党に移っている。民進党内での居場所を失って離党した細野豪志元環境相が、離党した途端に脚光を浴び始め、代表選中もマスコミの注目を集めたのは皮肉な結果だ。
この野党再編によって、どのような形にせよ、年内に新党が誕生するのはほぼ確実だ。年末までに政党として登録しておかなければ、来年の政党交付金をもらえなくなる。金の問題で最後は新党設立の交渉が成立するはずである。
そして、この新党の動きにどう対応していくのかが、民進党にとっては極めて重要になるが、それは、新党のメンバーや政策がはっきりするまでは、少なくとも表向きは態度保留で通すことは可能だ。
一方、その前に前原代表が待ったなしで対応しなければならない課題が3つある。まず、党役員人事。次に10月22日の衆議院のトリプル補選への対応。そして、9月下旬開会の臨時国会での論戦、とりわけそこで出てくるカジノ実施法案への対応である。また、補選への対応では、野党共闘、原発政策、連合との関係というこれまた難しい問題にぶつかることになる。
これらの課題は、いずれも民進党にとっては難問中の難問だ。その対応と結果次第では、民進党の再生は不可能という結論が意外と早く出てしまうかもしれない。
◆役員人事は若返りだけでもダメ
役員人事では、幹事長人事がほぼすべてと言ってもいいくらい重要だ。蓮舫前代表が幹事長を自分に近い野田佳彦氏としたことがその後の党運営に大きな支障を与えたことは記憶に新しい。
世間から「解党的出直し」を求められている今は緊急事態。当選回数や論功行賞、そして、党内のパワーバランスも度外視して、とにかく清新な若手の可能性に賭けて登用することができるかどうかが第一関門となる。