アフリカネーションズカップ2013とブラジルW杯では23人中の11人が変更されているが、興味深いのはDFの8人中6人が同じメンバーであるのに対し、中盤6人のうち5人が入れ替わっていることだ。FWは6人中の3人が変更されている。

 ここからもハリルホジッチのチーム作りが本大会からある程度、逆算する形で行われていることが分かる。そのチーム作りの過程でメンバーの組み替えが繰り返されたわけだが、ベルギーとの初戦で先発した11人のうち、7人がアフリカネーションズカップ2013のメンバーであり、基礎になる部分は当初から組まれていたということだ。

 それを踏まえ、改めて日本代表のメンバー構成を見ると、ハリルホジッチが本格的に選考した最初の試合(2015年6月の親善試合イラク戦と二次予選シンガポール戦)のメンバーは下記の26人だった。

GK:川島永嗣、権田修一、東口順昭、西川周作
DF:酒井宏樹、酒井高徳、太田宏介、長友佑都、吉田麻也、丹羽大輝、槙野智章、森重真人
MF:長谷部誠、柴崎岳、山口蛍、谷口彰悟、香川真司、清武弘嗣
FW:本田圭佑、原口元気、宇佐美貴史、武藤嘉紀、岡崎慎司、大迫勇也、川又堅碁、永井謙佑(追加招集)

 その中から今回のメンバーに選ばれているのは追加招集の宇佐美貴史を含めても14人だ。キャプテンの長谷部に関しては怪我で現在のメンバーから外れているが、実は当初から現在にいたる2年間で、すでにかなりの変更が加えられていることが分かる。

 ただし、大迫の様に一度外されてしばらく呼ばれなくても、その後のクラブでの活躍や復調により呼び戻されるケースもある。アルジェリア代表ではDFラインの主力としてチームを支えたラフィク・ハリシェが最終予選で外れたが、本大会のメンバーに選出された。今回はこれまでの主要メンバーだった西川周作、森重真人、清武弘嗣らが外れて話題になったが、今後のアピール次第で“返り咲き”も十分にありうる。

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