新じゃがのおいしい季節。じゃがいもは、和・中・洋、主食・副食、煮物・焼き物・揚げ物…など、調理の幅の広さはピカイチです。なかでも外せないのが定番のポテトサラダ。定番だけに、他のポテトサラダとは差をつけたいものです。今話題の『楽しい食品成分のふしぎ 調理科学のなぜ?(朝日新聞出版)』を監修されている、松本仲子先生に、ポテトサラダをよりホクホクでおいしくする方法を教えていただきました。
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ポテトサラダを作るとき、じゃがいもを水にさらす時間による、食感の違いをみてみました。皮をむいて切ったじゃがいもを、水にひと晩さらしたものと、水に浸けてさっと洗ったもの、それぞれをポテトサラダにし、見た目や食感を比較したのです。
すると、ひと晩水にさらしたじゃがいもは、煮崩れしないけれどホクホクもせず、水に浸けてさっと洗ったほうが、ホクホクして甘みのあるポテトサラダになりました。
このように、同じじゃがいもでも、扱い方ひとつで味や食感、見た目が変わるのです。じゃがいもの場合、何がコツなのか見ていきましょう。
いもは、皮のすぐ内側にある維管束の外側と内側で組織が異なります。維管束(植物の根、葉、茎などに見られる構造。管を束ねたようなつくりで、水や栄養分の通路)の外側はかたいので、ここを除くよう皮を厚めにむきましょう。じゃがいもは皮をむくと空気にさらされて茶色になるため、切る端から水に浸けていき、さっと洗って水にあげると良いです。