勝てば日本人として22年ぶり2人目のミドル級世界王者となる村田諒太(右) (c)朝日新聞社
勝てば日本人として22年ぶり2人目のミドル級世界王者となる村田諒太(右) (c)朝日新聞社
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 欧米の強豪が集まるミドル級の世界タイトル戦とあって、5月20日に有明コロシアムで行われるアッサン・エンダム対村田諒太のWBA世界ミドル級王座決定戦はアメリカでも少なからず話題になっている。

 世界戦であると同時に、村田にとってのワールドレベルでのテストマッチ。予想が難しい一戦ゆえに、どんな内容のファイトになるかに興味を惹かれているファンは日本以外にも多いはずだ。この試合に勝った選手は本場アメリカのリングにお呼びがかかる可能性も高いだけに、それはなおさらだ。

「村田は体調が良いみたいだし、彼がタイトルを獲ると見ている。フランス人のエンダムも悪い選手ではないが、村田は過小評価されていると思う。彼が結果を出し、KOで勝利するかもしれない」

 決戦直前の5月18日、村田が所属するトップランクのボブ・アラム・プロモーターはニューヨークでそんな予想を述べていた。

 今週末にはマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)でテレンス・クロフォード(アメリカ)対フェリックス・ディアス(ドミニカ共和国)というこちらも注目のWBC、WBO世界スーパーライト級タイトル戦が行われる。その最終会見の場で、アラムは村田について語り始めたのだった。

 85歳になったプロモーターは、近未来に村田を“殿堂”と呼ばれるMSGで起用するプランを口にした。さらには日本でも話題になった通り、怪物王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)との対戦まで思い描いているのだという。

「東京ドームよりも、マディソン・スクウェア・ガーデンで戦った方が、村田は日本のテレビ、広告などから大金を引き寄せられるだろう。(エンダムに勝ったら)ビリー・ジョー・サンダース(イギリス/WBO世界ミドル級王者)と戦わせたい。その後、(カネロ戦で)ゴロフキンが勝てば、村田が次の対戦相手候補になる。カネロが勝っても、村田と戦うかもしれない」

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