札幌の順位は確かに残留ラインぎりぎりだが、すぐ下の16位とは勝ち点で4ポイントもの開きがある。これも例年と比べて、めずらしいケースだ。それほど、降格圏内に沈む3クラブの勝ち点が少ないとも言える。

 驚きは16位の広島か。過去5シーズンで三度も優勝している強豪だが、決め手不足に苦しんでいる。9試合で、わずか6得点だ。しかも、点が取れない焦りから、看板の堅守に乱れが生じる悪循環。期待の助っ人も空回り気味で、なかなか好転の兆しが見えてこない。

 目下、1勝2分け6敗の勝ち点5。過去5シーズンで9節終了時点の勝ち点が5以下だったチームの残留は、2014年の仙台だけだ。かなり厳しい状況にあるのは確かだろう。広島と同勝ち点の新潟(17位)と最下位の大宮も事情は同じ。この先、どこまで巻き返せるか。

 清水と札幌が後半戦に入って苦戦するケースは十分に考えられる。対戦相手が一巡すると、手の内を丸裸にされるからだ。昇格組が残留するには、前半戦にできるだけ勝ち点を稼いでおく必要がある。

 前半戦の「貯金」を生かして、残留にこぎ着けた昨季の磐田が良い例だ。果たして、昇格組の3チームがそろってJ1に残る異例のシーズンとなるのかどうか。今後の展開が読みにくいぶん、興味は尽きない。(文=サッカージャーナリスト・北條聡)

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