財務省の長年の悲願だった消費増税法が成立して、わずか1週間。「10年に1人の大物」と言われた勝栄二郎事務次官(62)が8月17日、退任した。
「勝さんは主計畑を中心に官房長や主計局長など財務省の王道ポストを歩んだスーパーエリートですが、ポストに恋々とする人ではない。人事も回さなければならないので、成立後の退任は予想されました」
情報誌「インサイドライン」の歳川隆雄編集長はそう指摘する。
では、後任となる真砂(まなご)靖前主計局長(58)は、どのような人物なのか。
「他人の話をよく開き、柔軟な考え方ができる人と言われています」(財務省OBの小幡積・慶応ビジネススクール准教授)
ただ、その一方で、
「頭がキレるタイプではない」(同省OB)
「政治家とのパイプはそれほどない」(同省関係者)
との評も。そのためか、こんな先読みも出ている。
「"本命"の香川俊介官房長(55)は政財界とのパイプが太く、胆力と腕力があると評価が高いが、年次的にまだ若い。真砂氏と、木下康司主計局長(55)が1年ずつ次官を務め、消費税率が10%に上がる15年に向けて香川氏が次官になると見ています」(歳川氏)
※週刊朝日 2012年8月31日号