松田聖子が「裸足の季節」でデビューした1980年代初頭、歌同様に大ブームとなった聖子ちゃんカット。前髪で眉を隠して、肩の長さのレイヤード(段差)の毛先を巻いてサイドに流す髪形を、日本中の若い女性がまねしたものだ。
そんな国民的ヘアを生んだ老舗大手美容室「ヘアーディメンション」(HAIR DIMENSION)を運営するヘアーディメンションホールディングスが4月、東京地裁から破産開始決定を受けた。
「ニュースで見て驚いた」というのは、聖子がデビュー当時に所属していたサンミュージックプロダクションの関係者だ。
「四谷にあった一号店には、聖子の後輩のタレントたちも同じ髪形にするためずいぶん連れていった。あれは女の子が2割増し可愛く見える魔法のスタイルだったので……」
ヘアーディメンションは、90年代後半にもムーブメントを起こしていた。“カリスマ美容師”ブームの先駆け的な店で、40代の元ファッション誌女性記者はこう話す。