「“シザーズリーグ”(スタイリストが腕を競うTV番組)も人気で、アクアと並ぶ2大カリスマヘアサロンでした。私は仕事がらみのコネで通い(笑い)周囲にうらやましがられたものです」
ヘアーディメンションは、スター美容師(トップスタイリスト)を続々と輩出した。たとえばCHIKA(現アルティファータ代表)や宮村浩気(現アフロート代表)。CHIKAは浜崎あゆみ、宮村は藤原紀香の担当者として知られるが、当時の予約は数カ月~1年待ちといわれた。しかしなぜ、頂点を極めた店が潰れたのか。
25年前にヘアーディメンションに在籍し、今は青山のサロンに努める40代の男性美容師は、「店が大きくなりすぎた結果でしょう」と漏らす。
「僕も着たけど昔はスタッフの制服がブランド(ルナマティーニ)でホストみたいにイケイケ(笑い)。四谷から青山、表参道と経営展開も華やかだったけど、大事なことを見失ったんですよ」(同)
スター美容師が独立すれば、客は後を追いかける。
「1カ月数百万円と稼ぎだすスタイリストが次々独立すれば、母体はもちませんよ」
スター美容師が次々育てば別だが、時代とのギャップを埋めることができなかったのかもしれない。
髪を切った私に~♪と聖子が歌ったのも今は昔。
でもあの髪形は、昭和の懐かしき思い出として永遠に人の心に残りそうだ。
(ライター・藤村かおり)