「タイは最下位ですけど、オーストラリアやサウジ相手にチャンスを作っているし、カウンターも持っている。皆さんは大量得点を期待しているかもしれないけど、まずは勝ち点3を取ること」

 圧倒する必要があるタイ戦だが、隠れた“不安材料”もある。UAE戦から大迫と今野の負傷者以外にスタメンが変更されたケースとイエローカードである。

 タイ戦前日の練習を見ていて、あることに気がついた。いつもの練習パターンはボール回しでリラックスした後、ミーティングがある。その後はランニングとストレッチが定番だ。ランニングでは森重や西川、川島が先頭を走るのが恒例で、UAEラウンドでは長友と清武もこれに加わった。

 だが、この日の前日練習では、原口と槙野も先頭集団に参加した。原口のスタメンは予想内ではあるが、もしかしたら槙野のスタメン起用もあるかもしれない。これが“不安材料”といえるのだ。

 なぜなら、槙野は屈強なフィジカルとスピードが武器のファイターだが、反則を取られやすい選手でもある。実際、日本のDF陣はイエローカードを多く受けている。吉田、森重、西川、酒井宏がイエローカード1枚を受けたため、タイ戦で警告を受ければ、6月のイラク戦に出場できない。DF陣は長友と酒井高をのぞけば、誰もが出場停止に“リーチ”が掛かっている状態だ。

 イラク戦をにらみ、森重に代わり槙野をCBで起用するのか。あるいは酒井宏をベンチに置き、長友を右DFに回し、槙野を左DFに起用するのか。

 タイ戦は勝ち点3を獲得するのが最低限のノルマであり、サウジから首位を奪還するためにもタイから大量点を奪いたい。とはいっても、イエローカードによる出場停止で、イラク戦で不利な状況は招きたくない。

 負傷した大迫や今野、ゴールという結果を残した久保ら攻撃陣に目が移りがちだが、安泰なようで、実は不安材料を抱える日本のDF陣でもある。(現地取材=サッカージャーナリスト・六川亨)

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