いよいよ勝負の準決勝を迎える。相手はアメリカ。不足はない。試合開始は21日18時(日本時間22日午前10時)。小久保裕紀監督率いる侍ジャパンは、決勝進出へ向けてどのように戦うべきだろうか。
指揮官は「準決勝がすべて」と語る。最大のポイントは環境への適応だ。日本は1次ラウンド、2次ラウンドの全6試合を完全ホームと言える東京ドームで試合を行った。さらに言うならば2月下旬からの合宿、強化試合を通じて国内で調整を続けてきた。だが、今度は違う。16日夜に日本を出発し、長時間のフライトの末にロサンゼルスに到着した侍ジャパンだが、連日の死闘によりただでさえ蓄積された疲労に、16時間の時差と30度を超える猛暑が重なった。試合が始まれば日本人のファンがスタンドを埋め尽くすことは不可能で、選手たちには屋内から屋外、人工芝から天然芝への対応も求められる。これまではWBCといえども戦いの舞台は勝手知ったる国内であり、WBCの“世界舞台”という意味では実質、この準決勝が初戦になるのだ。
また、2次ラウンド最終戦となったイスラエル戦(15日)から中5日空いた点も大きな懸念材料になる。一方、対戦相手のアメリカは18日に2次ラウンド最終戦・ドミニカ共和国戦を戦ったばかりで、移動も最小限に、勝利した勢いを維持したまま準決勝に臨むことができる。日本シリーズなどでは「2戦目、3戦目から本領発揮」して日本一に輝いたチームも過去多くみられたが、今回は1試合のみで正真正銘の一発勝負。「まずは雰囲気に慣れよう」と言っている間に試合終盤を迎えてしまう恐れがある。