WBC2次ラウンド、イスラエル戦で先発予定の千賀投手=川村直子撮影 (c)朝日新聞社
WBC2次ラウンド、イスラエル戦で先発予定の千賀投手=川村直子撮影 (c)朝日新聞社

 1次ラウンドから無傷の5連勝で準決勝進出へ大きく前進した侍ジャパン。2次ラウンド最終戦となるイスラエル戦での注目ポイントはどこにあるだろうか。

 前日のキューバ戦後、小久保裕紀監督は「勝たないと1位通過じゃない」、「明日、勝ちに行きます」と全勝での準決勝進出を強く誓ったが、オランダ、キューバ相手に2連勝を飾ったことで、ある程度の余裕を持った戦いができる状況にある。もちろん目の前の一戦に勝つことが前提だが、それと同時に決勝ラウンドへ向けた“準備”もすべきである。

 その準備の一つが、決勝ラウンド2試合の先発投手の選定である。球数制限は2次ラウンドの80球からさらに95球へと増え、先発投手への比重はより一層大きくなる。1人目の先発は菅野智之(巨人)で決まりだ。14日のキューバ戦では4回4失点で降板したが、「菅野でやられたらしょうがないと腹はくくっている」と小久保監督からの絶大な信頼は変わらない。あとは準決勝、決勝のどちらの試合で登板するかだ。

 問題は2人目になる。最有力候補だった石川歩(ロッテ)は、7日のキューバ戦では4回2安打1失点と好投したが、12日のオランダ戦では球が高く浮いたところを痛打されて3回5安打5失点と不安を露呈。10日の中国戦に先発した武田翔太(ソフトバンク)も格下打線を相手に3回4安打1失点と納得させる投球はできず。藤浪晋太郎(阪神)も可能性はあるが、現状では博打の意味合いが大きくなる。

 そこで浮上してきたのが千賀滉大(ソフトバンク)である。ここまで“第2先発”として、8日のオーストラリア戦で2回1安打無失点、12日のオランダ戦で2回3安打無失点と結果を残し、4イニングで計7奪三振をマーク。外国人打者相手に、自身の代名詞である“お化けフォーク”の有効性を再証明している。2次リーグ最終戦となるイスラエル戦では先発に抜擢され、その結果次第では菅野とのダブルエースにまで昇格する可能性がある。世界一奪還のためには、千賀が“投のラッキーボーイ”になってもらう必要がある。

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