浅沼道郎さん
浅沼道郎さん
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 スピーチが苦手だという人は多いだろう。しかし、どんなに苦手でも、歓送迎会の季節には否が応でもスピーチをせざるを得ない。それが社会人だ。

 どうすれば理想のスピーチを披露することができるのだろうか?

 そんな悩ましい疑問を、アナウンサーの浅沼道郎さんにぶつけてみた。浅沼さんは、名古屋テレビ(メ~テレ)で、長年にわたって朝夕の情報番組や「大相撲ダイジェスト」を担当する一方で、アナウンス学校や話し方教室の講師にひっぱりだこのアナウンサー歴28年のベテランだ。

「アナウンサーは声がいいから、話し方も上手なんですねと言われることがよくあります。でも、よほどのだみ声でもない限り、不快な声というのは存在しないんです。ですから、『声がいい』から話し上手なのではなく、話し上手は、話し方が『快い』のです」

 しかし、「快い話し方」といっても、一朝一夕に身に着くものではないだろう。そんなに簡単なら、人前で話すことにストレスを感じる人がこれほど多いはずはない。

「実は、簡単なことなんです。意識さえすれば、明日からでも、誰でもトークの達人になれます」

 本当だろうか? 実は浅沼さん、近著『ゆっくり話すだけで、もっと伝わる! アナウンサーが教える七つの技』(朝日新聞出版刊)で、上手に話せるようになるための「7つの技」を紹介している。今回は特別にその中から、3つの技を教えてくれた。

 ひとつ目の技は「話すスピードを意識する」こと。

「プレゼンやスピーチの場では、人は、気づかないうちに早口になっています。本当は、一番伝えたいことこそ、ゆっくり、情熱的に話さなくてはいけないんです。それでも、興奮してくると、どうしても早口になって、一本調子のつまらない話し方になってしまいます」

 では、どうやってその癖を直せばいいのだろうか?

「まず、自分が言おうとしている内容を、すべて『ひらがな』に変換するんです。例えば、『販売部は風通しがいいので、緊張しないで頑張ってください』と言いたいのなら、『はんばいぶはかぜとおしがいいので、きんちょうしないでがんばってください』と変換する。そして、その『ひらがな』を読むつもりで話してみると、自然とゆっくりになるんです」

 すぐにできる練習方法もあるという。

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