大谷離脱でエースの重責を背負う菅野(写真:Getty Images)
大谷離脱でエースの重責を背負う菅野(写真:Getty Images)
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 3月に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の各国代表最終メンバーが、2月9日に発表された。2大会ぶりの優勝を目指す日本代表(侍ジャパン)だが、メジャーリーガーは外野手の青木宣親(アストロズ)1人だけで、国内選手中心の布陣となった。大会途中に入れ替えが可能な「予備登録投手枠」にも、メジャーリーガーの名前はなく、連覇を果たした第2回大会以来となる王座奪回を不安視する声が挙がっている。

 現地での侍ジャパンの評価も高くない。米ケーブル局のスポーツ専門チャンネル「ESPN」は、今大会の実力トップ3として、前回優勝のドミニカ共和国を筆頭に、開催国のアメリカ、ベネズエラと、大物メジャーリーガーがメンバーに名を連ねる3か国を優勝候補に挙げた。

 過去3大会で優勝2回、ベスト4が1回の実績を誇る日本の評価が上がらないのは、過去のWBCで活躍した田中将大(ヤンキース)やダルビッシュ有(レンジャーズ)、前田健太(ドジャース)らが出場しないことが大きいが、国内組の最大の目玉だった大谷翔平日本ハム)の不参加も、大きな要因だろう。

 近い将来のメジャー移籍が確実視されている大谷にとって、今回の大舞台は、アメリカへの「最後のアピール」の意味もあった。当初は国際大会の「二刀流」デビューの構想もあったが、昨年の日本シリーズで痛めた右足首の状態が上がらず、投手での出場を断念。そして2月4日には、日本ハムの栗山英樹監督が「なんとかできるようにやってきたが、無理だった」と、大会の出場辞退を決めた。

 今大会の侍ジャパンの投手陣は、大谷と菅野智之(巨人)のダブルエースの構想だった。大谷に代わる投手として、福岡ソフトバンクの武田翔太(ソフトバンク)が選出されたが、実績面などを考えると、実質的に菅野が大黒柱として「1人エース」の状況となった。

 WBCは初出場となる菅野だが、2015年のプレミア12で代表に選出され、大学時代にも、世界大学野球選手権や日米大学野球選手権に出場するなど、国際経験は豊富だ。大学時代には、キューバ戦で自己最速の157キロをマークして、一躍プロの注目を集めた。プロ入り後に初代表となったプレミア12では、1次リーグのアメリカ戦で先発を任され、3位決定戦のメキシコ戦でも登板した。巨人では、昨年までの4年間で最優秀防御率が2回、最多奪三振が1回と、今回のWBCで、小久保裕紀監督がエースに期待するだけの実績はある。

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