前の3人に、常にゴールに直結する働きを求めるモンテッラ監督の方向性から考えて、ここから本田が3トップの主力に返り咲くことは考えにくい。これまで通り時間帯によってオプションにはなりえるが、決め手の部分で継続的に力を発揮できていない本田はそうした仕事に特化して評価する場合、右ウィングの主力に定着しているスソはもちろん、新戦力のデウロフェウやオカンポスと比較しても見劣りしてしまうからだ。守備にしても前からのチェックを重視しており、中盤はあくまで中盤の選手が埋める仕事をこなす。この点でも現在のウィングに本田が適しているとは言いがたい。
モンテッラ監督のスタイルにあって、昨季のシニシャ・ミハイロヴィッチ時代に本田が起用されたサイドハーフに近い役割を担っているのは中盤のインサイドハーフだ。ユライ・クツカや若いマリオ・パシャリッチは機動力に優れるが、相手のプレッシャーを吸収して周りにスペースを作るプレーは得意ではないか、意識が高くない。そうした役割を多少なりこなせるジャコモ・ボナヴェントゥーラは左足内転筋の負傷でシーズン後半の出場が絶望的となっている。
モンテッラ監督のもとでシーズン後半戦に活路を見出せるとすれば中盤のインサイドハーフで長い時間の出場チャンスを得た場合ではないか。もちろん、そうしたチャンスを得た時に本田が高いパフォーマンスでチームを機能させることができるかどうかは、彼自身が現状の中でどれだけ良い準備ができているかにかかっている。
3月にW杯最終予選が再開する日本代表における役割はミランとは異なるし、ここまでの信頼、周囲との関係性も異なるが、このまま“ベンチ暮らし”が続くのであればヴァイッド・ハリルホジッチ監督には選考から外す決断も求められてくる。ハリルホジッチ監督は昨年9月のメンバー発表において、選手選考に関してこう語っていた。