もう長い間彼女に期待し続けてきたように感じるが、現在18歳。ということは、何年も前、まだ14、5歳だったころの彼女にも、大きな期待をかけてきた。しかし、宮原はそうした空気に屈せず、逆に好成績にも驕らず、努力を積み重ね、全日本選手権3連覇を果たし、日本フィギュアスケート史に残る堂々たるスケーターとなった。

 年下の選手たちの突き上げも、次々に新星が登場するロシアの選手たちの脅威も、彼女の立っている場所とは異なる空間のことのように感じられる。それは彼女がこれまで、周囲に左右されず、自分のペースを保って着実にいまの場所までたどり着いたからかもしれない。

 1年前に想像した姿より、2年前に想像した位置より、さらにずっと高いところに今の彼女は立っている。私たちの想像の延長線のはるか上へと進化してきた彼女は1年後の平昌五輪では、今の私たちからは想像もできない姿を見せているだろう。この1年、そんな宮原知子の動向をすべて、つぶさに見届けたい。(文・長谷川仁美)

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