その他では、若獅子賞右腕の酒居知史(大阪ガス→ロッテ)、191センチの長身から最速157キロのストレートを繰り出す中塚駿太(白鴎大→西武)、最速153キロのストレートにスライダーが武器の黒木優太(立正大→オリックス)らが候補。野手陣では、社会人ナンバーワン遊撃手の源田壮亮(トヨタ自動車→西武)、同じく安定した守備が魅力の石井一成(早稲田大→日本ハム)らが候補になるが、いずれも田中、佐々木に比べると格が落ちる。それならば、藤平尚真(横浜高→楽天)、今井達也(作新学院高→西武)といった大きな可能性を秘めた高卒ドラ1右腕の抜擢と飛躍に期待したいところだ。

 セ・リーグ同様、プロ2年目以降の選手(支配下登録5年以内、投手30イニング以内、野手60打席以内)にも新人王候補が目白押し。投手陣ではU‐23代表で好投した本田圭佑(西武)、昨季開幕2戦目に先発するもケガに泣いた近藤大亮(オリックス)、野手陣では昨季のドラフト1位・平沢大河(ロッテ)、今季5年目を迎える武田健吾(オリックス)らが有力候補になる。田中、佐々木が共倒れした場合は、2年目以降の“逸材”にスポットライトが当たることになるだろう。

 例年通り、今年の目標に「新人王」と記す選手が何人もいた。その中で誰が一生に一度のタイトルを掴み取るのか。はたまた、「新人王」とは一切口にしていないダークホースが突如として現れるのか。最も予想が難しく、だからこそ楽しめる新人王レース。今年もまた、新たなスター誕生の瞬間に立ち会えるはずだ。

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