赤字家計が6カ月で黒字家計に変身した事例(「定年後のお金と暮らし2017」より)
赤字家計が6カ月で黒字家計に変身した事例(「定年後のお金と暮らし2017」より)
この記事の写真をすべて見る

 定年退職まで5年というのに、家計は大赤字。しかも、子どもたちは大学入学を控えてお金がかかる……。週刊朝日MOOK「定年後のお金と暮らし2017」で、家計診断をしてもらった結果、なんと月5万3000円も貯金が可能に。メタボ家計のダウンサイジング法について、家計再生コンサルタントの横山光昭さんに聞きました。

横山光昭(よこやま・みつあき)
家計の借金を中心に解決、これまで1万人以上の赤字家計を再生した。『年収200万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『はじめての人のための3000円投資生活』(アスコム)など著書多数。

■メタボ家計を見直すなら50代がラストチャンス

「安心した老後生活を送るためには3000万円必要ですか?」。定年を控えた方からは、こんな相談をよく受けます。退職金が1000万円ぐらい出るのはわかっていて、貯蓄額を含めて2500万円にはなるが、3000万円には届かない。月々もらえる年金額と現在の支出の差を考えると、十数年で貯金は底をついてしまい、長生きするほど老後の生活は成り立たなくなる──。

 このような老後破綻に陥らないためにも、現役世代のうちに家計の見直しをすることをおすすめしています。50代のうちに家計を見直し、定年までに老後の蓄えを増やしておくことです。とくに、保険の見直しは40代がラストチャンス。50代で見直すと、健康上の問題などから、保険料が割高になってしまう恐れがあります。

 実際に夫の年齢が55歳のケースでメタボ家計を見直した事例があります。夫の手取り月収は35万円。妻のパート収入と合わせて世帯収入は45万円もあるのに、毎月8万1000円も赤字が出て、貯金がほとんどできない状態でした。

 このまま定年を迎えて年金生活に入ってしまうと、退職金は数年でなくなり、家計は破綻してしまいます。

 注意したいのは、お勤めの会社で「役職定年制」が導入されていると、55~58歳で管理職から外れてしまうこと。子どもの教育費など、いちばんお金がかかる時期に給料が減額してしまうことが考えられますので、会社の人事制度をきちんと把握しておきましょう。

次のページ