創価大・田中正義への各球団の判断はいかに(c)朝日新聞社
創価大・田中正義への各球団の判断はいかに(c)朝日新聞社

 運命の2016年プロ野球ドラフト会議が10月20日に迫る中、今年の候補生たちをチェック。第2回となる今回は、大学生、社会人の注目選手を紹介しよう。

 まず語るべきは、田中正義(創価大)である。大学2年の春にデビューして以来、150キロを超える剛速球を武器に大学野球界を席巻し、昨年6月のNPB選抜との壮行試合では7者連続を含む計8三振を奪って4回をパーフェクトに抑える圧巻の投球を披露。この時点で「全球団1位指名もあり得る」という圧倒的な評価を得ていた。

 だが、田中が右肩痛によって今春のリーグ戦での登板を回避したことで、ドラフト戦線は一気に混沌化。秋には復帰を果たしたが、高校時代にも右肩を痛めており、どうしても不安がつきまとうのが現状だ。それでも、10年に一人の逸材であることには違いない。田中を回避するのか、しないのか。各球団の判断にも注目が集まり、その部分も含めて今ドラフトの最大の目玉であることには変わりないだろう。

 その田中が故障している間に一気に評価を上げたのが、佐々木千隼(桜美林大)だ。スリークオーターから最速153キロのストレートを繰り出し、スライダーも一級品。今年7月に行われた日米大学野球選手権の開幕戦では、7回3安打、1失点、12奪三振の快投を演じ、さらに今年のリーグ戦で11年の菅野智之(現巨人)に並ぶ年間7完封を記録。即戦力投手が欲しい球団がドラフト1位候補として名前を挙げている。

 大学生ではもう一人、柳裕也(明大)もドラフト1位の有力候補になる。多彩な変化球で打者を翻弄し、ゲームを作る安定感は随一。東京六大学リーグで通算21勝という実績に加え、史上15人目となる通算300奪三振も達成した。大学代表でも主将を務めた人間力、精神力の強さもプロで戦う上で活きてくるはずだ。

 投手ではその他にも、瀬戸内高のエースとして甲子園を沸かせた山岡泰輔(東京ガス)が、社会人野球にもまれながら着実に力を伸ばし、ドラフト解禁となった今年は1位候補に挙げられるまでになった。

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