認知症高齢者の増加に伴い、成年後見制度の利用者は増えていますが、その一方で、後見人をめぐるトラブルも数多く報道されています。こういった社会情勢を踏まえて、家庭裁判所や弁護士会のほうでも対策を強化しているはずです。

 制度に詳しい人に話を聞くことから始めてください。

【お悩み その4】一人暮らしの母 片付けができない(58歳女性)
 広い一軒家に80歳の母が一人で暮らしています。整理整頓に厳しい父が亡くなってからは、訪ねるたびに家の中に物が増えています。私の顔を見ると「片付けなきゃね」と言う母ですが、大して気にしているふうでもありません。私が片付けてもよいものでしょうか。

【回答】
 ここ数年、片付けに関する本が続々出版され、人生の終わりに備える「終活」でも生前整理が話題です。その多くが片付けのノウハウだけでなく生き方そのものを説いているように、片付けに関しては、本人がその気にならなければ意味がありません。あなたが処分したところで、また元に戻るのは目に見えています。

 とはいえ、物があふれる室内では、心身ともに良いことはありません。安全で快適な生活のために物を減らすということをわかってもらい、根気よく一緒に取り組むことです。

 物のない時代に育った親世代は、捨てることに罪悪感があるもの。なかなか捨てられないものは、いったんあなたが引き取るということで納得してもらうのもよいでしょう。また、寄付やリサイクルに出すというのは、意外と心理的ハードルが低いようです。あまり時間をかけられないなら、小さいサイズの住宅に住み替えてもらうのも一つの手です。

 ただし、これまでとは明らかに違う散らかり具合で、賞味期限の切れた食材が大量にあったり、同じものばかり買い込んだりしている場合は、要注意です。自覚症状や病識がなくても、認知症が進んでいることもあります。

※週刊朝日ムック『高齢者ホーム2017』

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