【回答】


「年を取ったら転ぶな、風邪ひくな……」といわれるように、高齢者の骨折は寝たきりにつながることがあります。お母さまは人一倍健康に留意されてきた人だけに、落胆が大きいのだと思います。

 また、娘に迷惑を掛けている自分が申し訳ないという気持ちもあるのでしょう。この先、リハビリなどで状況がよくなる見込みがあるなら、「歩けるようになったら家に帰ろう」とか、「温泉に行こう」という目標を考えてあげてはどうでしょうか。さらにあなたが頻繁に顔を見せるだけでも、自分のことを大切に思ってくれる人が身近にいるという安心感につながり、心の支えになるはずです。

 病院にかかれば元の状態に戻るのが当たり前だった若いころと、83歳の今とでは違います。自分の老いを受け入れるのは簡単ではありませんが、「開き直る」ことによって違った心境になることもあるようです。ただ、「老人性うつ病」や「認知症」が考えられるケースもありますので、その場合は専門医に相談することをおすすめします。

【お悩み その3】後見人が信用できない(50歳女性)
 認知症の伯母が老人ホームに入りました。身の回りの世話をしてきたのは私ですが、ホームを決めたのは成年後見人の弁護士です。伯母の入ったホームはあまりにも安っぽくて、これまでの伯母の生活を考えると似つかわしくないところです。もう少し環境のよいホームに移してあげたいのですが、可能でしょうか。後見人に連絡しても、忙しいのか取り合ってもらえず、不信感が募るばかりです。

【回答】
 成年後見制度は、認知症などで判断能力が不十分な人に代わって、家庭裁判所から選任された後見人が財産管理や介護サービスの利用契約などを行う仕組みです。ホーム入居の契約手続きだけでなく、日々のお金の管理や支払いの代行も後見人の仕事です。いくら身内とはいえ、あなたが勝手に伯母さまをほかのホームに移すことはできません。

 後見人と連絡が取り合えて、納得できる説明がなされるのがいちばんですが、それができないとなれば不信感を抱いても仕方ありません。まずは後見人の審判をした家庭裁判所に電話で問い合わせてみることです。裁判所は多くの人が利用するので、詳しいことは書面でも提出するのがよいようです(記録にも残ります)。

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