
プロ野球は、クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージを終えた。セ・リーグは、CS初出場のDeNAが、2勝1敗で巨人を下した。セでレギュラーシーズン3位チームの勝ち上がりは、2013年の広島以来4度目。勝率5割以下のチームが勝ち上がったのも、同年の広島以来2度目となった。
DeNAの若さが、ベテランが主軸を張る巨人を飲み込んだ。第1戦は、梶谷隆幸、ロペス、筒香嘉智が本塁打の揃い踏み。レギュラーシーズンから、このカードでは「3試合連続」で同じ3人がアーチをかけた。第2戦は、DeNAがポストシーズン史上初となる新人バッテリー(今永昇太-戸柱恭孝)を起用したが、巨人の坂本勇人が同点弾、決勝点につながる二塁打を放つなど奮闘し、1勝1敗のタイに持ち込んだ。
第3戦は延長11回、セのCSでは史上2番目に長い、4時間21分の決着となった。DeNAは1回表に梶谷が死球を受けて退場すると、続くロペスが先制2ラン。巨人は1回裏、阿部慎之助の2ランで同点に追いついた。2回表、DeNAが梶谷の代わりに入った関根大気の犠飛で勝ち越すと、6回には前の打席で膝に死球を受けた村田修一が同点本塁打。死球を与え合いながらも遺恨の要素は感じさせず、それでいて意地がぶつかり合う好ゲームは、延長に入った。
意外な男が、決勝点を奪った。11回1死二塁、8回に代打で出場していた控え捕手の嶺井博希が、左翼フェンス直撃の適時打。プレーオフ、CSにおける捕手の勝利打点は13年嶋基宏(楽天)以来だが、途中出場した捕手のV打は史上初めてだった。