約100隻の船団が大阪市中心部を流れる大川に浮かぶ「船渡御(ふなとぎょ)」と、夜空に打ち上がる約4千発の花火が風物詩である天神祭が行われた7月25日夜、橋下徹・大阪市長は苦笑いしながら、こう挨拶した。

「最近はもう、女性の前に出にくくなって……」

 週刊文春7月26日号で報じられた北新地の元ホステスとの"コスプレ不倫"の自虐ネタで会場の笑いを誘ったのだ。

 橋下市長のスキャンダルは、大阪維新の会にも大きな影響を与えたようだ。選挙の資金集めのため、8月には「経済人・大阪維新の会」、9月には大阪維新の会が大々的にパーティーを開く予定だが、1枚2万円のパーティー券をめぐる不満が噴出している。

「これまでもパーティー券を売ったけど、うちの会は集めたカネを内部にため込むばかりで、議員への還元がない。こちらは20枚のノルマをさばいているのに、そのカネの使い道がわからない。寄付をした経済人からも説明してほしいと不満が出ていると聞いた。次の総選挙で"維新の会所属議員は出さない"と橋下さんは明言しているので、もし選挙で使ってもわれわれには何の恩恵もない。"コスプレ不倫"発覚後、記者団に執行部のやり方を批判したベテランの市会議員もいます」(維新の会所属議員)

 スキャンダル記事は橋下市長を快く思わない勢力がリークしたという噂がある、と記者に質問された橋下市長は神妙にこう語った。

「選挙というのは戦(いくさ)なので、命を取られなかっただけでもいい」(7月24日)

 家庭内外で、まだまだ、戦が待っているようで……。

※週刊朝日 2012年8月10日号