「スペイン勢のクラブにどう挑むのか?」
現地時間13日に開幕する今シーズンのUEFAチャンピオンズリーグも、そこが焦点になるだろう。
スペイン勢が欧州を席巻している。過去3シーズン、決勝に残った6チーム中、5チームがスペインのクラブだった。レアル・マドリーが優勝2回、バルセロナが優勝1回、アトレティコ・マドリーは2度の決勝進出を果たした。
欧州王者として連覇に挑むマドリーは「PEGADA」に優れる。PEGADAとはスペイン語のKOパンチの意味から転じ、圧倒的な得点力を指す。ガレス・ベイル、カリム・ベンゼマ、 クリスティアーノ・ロナウドの3トップの頭文字を取って“BBC”と称され、相手をノックアウトする一発を持つ。ボールを運ぶことに苦しみ、受け身に回ることもしばしばだが、アンカーに入るカゼミーロが中央を重点的に封じ、打たれ強さも備わった。
マドリーと対照的なのがバルサだろう。リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールという“MSN”が先頭を切り、ボールを持って攻め立てる能動的なプレーが特長。ボールを失っても、敵陣での出足鋭い守備で奪い返し、二次三次攻撃を仕掛け、敵を滅多打ちにする。相手は手も出せずマットに突っ伏す。セルジ・ブスケッツ、アンドレス・イニエスタを軸にしたボール回しは、一つのオートマチズムが貫徹されて止めようがない。
ディエゴ・シメオネ監督率いるアトレティコも、今や巨人の風格がある。4-4-2でサイドを封鎖し、相手に付け入る隙を与えない。相手を消耗させつつ、とっておきのカウンターを繰り出す。前線のアントワーヌ・グリーズマンは「ロナウド・メッシ時代」を継ぐ“新しい王”と目される。得点を入れるポジションに入るタイミング、ボールを叩き込むスキルと胆力に優れる。