となると、今季のポイントになるのは、やはりゴールである。昨季はFWながら5ゴールと不本意な成績に終わった。本人の目標である二桁得点に到達すれば、危険度の高いFWとしてクラウディオ・ラニエリ監督の評価も変わってくるだろう。ピッチに残しておきたい存在へと進化を遂げるのが、今シーズン最大の目標だ。

吉田麻也 評価:D

 開幕戦で先発フル出場。しかし、欧州選手権への参加で合流が遅れたポルトガル代表CBのジョゼ・フォンテがフィットすると、2節のマンチェスターU戦から「ベンチスタート+出番なし」と控えメンバーの扱いに甘んじている。

 今シーズン序盤のポイントになったのは、不動のレギュラーCBであるフォンテの去就である。マンチェスターUを率いる同胞のジョゼ・モウリーニョ監督が、獲得に動いていると噂されていたからだ。しかしながら、フォンテは残留を決断。フォンテが移籍となれば、吉田もCBの2番手に格上げされていたが、結局、今シーズンも「CB3番手」の序列は変わっていない。

 目標は、このフォンテとオランダ代表DFのフィルジル・ファンダイクのCBコンビからレギュラーポジションを奪うこと。この一点に尽きるだろう。両選手とも好パフォーマンスを維持しているだけに容易なことではないが、彼らを上回るパフォーマンスを見せないことには、レギュラーポジションを奪うことは難しい。今季からチームを率いるクロード・ピュエル監督は最終ラインを4バックに固定しており、CBのレギュラー枠は2つのみ。難易度の高いハードルを超えなければ、シーズンの大半をベンチで過ごすという厳しい1年になってしまう。

(文・田嶋コウスケ)

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