二桁得点を目標に掲げるレスターFW岡崎(写真:Getty Images)
二桁得点を目標に掲げるレスターFW岡崎(写真:Getty Images)
この記事の写真をすべて見る

 2016-17シーズンの開幕から、約1カ月が経過したイングランド・プレミアリーグ。昨季王者レスター・シティでプレミア2年目を迎えたFW岡崎慎司、サウザンプトンで5シーズン目に突入したDF吉田麻也は、それぞれ序盤戦をどのように過ごしたのか。世界最高峰のリーグで奮闘する2人の日本人選手のここまでのプレーぶりを、現地在住ライターの田嶋コウスケ氏にA~Eの5段階で評価してもらった。

岡崎慎司 評価:B

 開幕から4節まで全試合に出場し、そのうち3試合で先発。得点やアシストこそないが、献身的な守備と精力的なランで、チームにとって重要な役割を果たしている。特に岡崎の存在価値は、彼がメンバーから外れたときに浮き彫りになる。前線からのプレスが弱まるためボールを奪えず、中盤の密集地帯でパスを受ける選手がいないためパスワークが滞ってしまうのだ。あるときは敵を執拗に追いかけ、またあるときは幅広く動いてボールを受ける。いわゆる、「攻守のスイッチを入れる」動きで、チームのプレーを円滑にしている。岡崎の有無で、レスターのパフォーマンスの質が変わってくるといっても過言ではないだろう。

 しかし、チームの動きが悪いと、真っ先に交代を命じられてしまうのも岡崎だ。象徴的だったのが現地9月10日に行われた4節のリヴァプール戦。前半を1‐2の1点ビハインドで折り返すと、岡崎は前半だけで役目を終えた。何か変化を加えたいときに、交代カードを最初に切られてしまう「微妙な立場」に置かれてもいるのである。「試合に出場するために」献身的な守備をこなしているが、「絶対的な存在になるため」のゴールが足りないため、こうした評価・序列を覆すところまで至っていない。

次のページ