気になるお葬式の費用。週刊朝日ムック『はじめての遺言・葬式・お墓』(朝日新聞出版)では、葬儀費用の見積書を大公開。葬式にかかる費用の内訳を知っておけば、いざというときに高いのか安いのか、冷静に判断できそうです。葬祭カウンセラーの二村祐輔さんが監修してくださいました。
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子どもたちに経済的な負担をかけたくないと思うなら、あらかじめ費用を把握し、準備しておくことです。葬式費用は、規模や形態はもちろん、棺や祭壇のランクひとつで変わってきます。鎌倉新書「いい葬儀/第2回お葬式に関する全国調査」(2015年)の結果を見ると、葬式にかかった費用の平均額は約119万円、ボリュームゾーンは100万~120万円未満となっています。
ただし、この金額はあくまでも葬儀社に払う葬式自体の費用で、ほかに寺院へのお布施や飲食・接待代、関係者への心付けなどが発生します。会葬者(弔問客)の数にも左右されますが、こうした費用も含めたトータルの金額で考えるのが賢明です。
お葬式の予算は先に総額でいくらまで出せるかを決め、見当をつけておくといいでしょう。ちなみに、葬儀社、お布施、飲食・接待代という各費用に3分の1ずつ割り当てるとバランスが取れるといわれています。ただし、祭壇を設けなかったり、告別式を行わなかったりする場合はこの限りではありません。
表は一般的な葬式の見積書の例です。葬儀社に見積もりを頼む際は、細かい内訳がわかる状態で出してもらい、できれば身内などを交えて検討しましょう。「一式」「セット」としてまとめられている場合は、何がどこまで含まれるのか、不要なものは削れるのかなど説明を求めます。
この例では葬儀に関わる「基本プラン」と会葬者の人数により変動する「変動費」に分かれています。だいたいの人数を想定して出してもらい、追加分の対応も聞いておきましょう。変更が出た場合は、口頭の約束だけでは後でトラブルになりがちなので、再度見積もりを出してもらったほうが安心です。