インターネット検索に地域性はあるのだろうか。あるとすれば、それはどのような特徴・傾向がみられるのだろうか?
まずは、検索されているのはどのような言葉なのか、検索サイトヤフー・ジャパンの検索データのページで公開されている「マンスリーランキング総合」を見ると6月のTOP3は1位「YouTube」2位「Amazon」3位「楽天」となっており動画、ショッピングのサイトが上位を占めている。YouTubeで動画でも見て楽しもうというときに、ブックマークでもしていなければ、URLを入力することなど思いもよらず、まずは検索して……。という行動は誰もが頻繁に行っているということだ。
さて、最初の疑問に戻るが、全体的な傾向は上記の通りだが、これを都道府県別に見れば検索に地域的な特徴があるに違いない。「札幌 天気」などの検索は札幌市民からの検索が圧倒的に多いだろうと予想される。そこでヤフー・ジャパンの検索データから「北海道からの検索割合が高いキーワードの検索数ランキング」というものを抽出してもらった。それが図1の一覧表だ。
このランキングは、北海道からの検索だから、必ずしも北海道在住と言うことではなく、北海道旅行中の人が検索した結果も含まれている。
ランキングの1位は「JR北海道」。36位にも「JR北海道 時刻表」があるので、列車の時間を調べるための検索と思われる。トラブル続きで苦戦するJR北海道だが、北海道新幹線の開通で注目度は上がっているのかもしれない。また、道内の都市間移動ではまだ重要な役割を担っていると言うことだろう。ちなみに長距離移動の公共交通機関としてはバスもあるが、バス会社は40位に「中央バス」が登場している。空の交通はどうだろう。やはり北海道からの検索ということで、道民割引などを設定している「AIR DO」(13位と18位)の検索が目立つ。他には「新千歳空港」(21位)「千歳空港」(34位)と検索が多いのは、年間利用者2000万人を超え、日本第5位の利用者数(2015年度 国土交通省調べ)を誇る北海道の玄関口、新千歳空港だ。お土産や駐車場などの道民、観光客とわずにいろいろと検索して調べることがあるのだろう。
ランキングの2位は「よさこいソーラン祭り2016」。今や北海道の初夏を代表するイベントとなった「YOSAKOIソーラン祭り」。今年は6月8日(水)~12日(日)とちょうどこのランキングの調査期間中の開催だったためランキング上位に食い込んできた。
3位は「北海道」4位は「札幌市」となっている。他にも「函館」や「旭川」といった都市名がランキングに入っているが、なぜ道内からこれらのキーワードが検索されているのだろうか?
ヤフー・ジャパンで検索データの解析をしている池宮伸次さんによると「こういったキーワードは、その検索結果からURLをクリックすることはほとんどなく、『北海道 観光』や『北海道 天気』といった検索キーワードを続けて検索して絞り込んでいく行動が多いようです。」とのこと。ちなみに、「北海道」とだけ検索した検索結果で、最も多くの人がクリックしているのは「北海道庁」のページだということだ。