「ソルト&ビネガー(Vinegar)」のポテトチップスは「ソルト&ビクトリー(Victory)」に(撮影・田嶋コウスケ)
「ソルト&ビネガー(Vinegar)」のポテトチップスは「ソルト&ビクトリー(Victory)」に(撮影・田嶋コウスケ)
レスター市内で話題を呼んでいるラニエリソーセージ。(撮影・田嶋コウスケ)
レスター市内で話題を呼んでいるラニエリソーセージ。(撮影・田嶋コウスケ)

 さて、レスターがリーグ優勝を決めてから5日が経過したが、街の“優勝熱”は、依然として冷めていない。

 戴冠式が行われた7日、市内中心部はお祭りのような騒ぎで、青色のシャツを着たサポーターでごった返していた。街のいたるところで「チャンピオン!」と書かれた青色のフラッグが揺れ、パブやカフェはチームカラーの青と白の風船で装飾されていた。

 またスタジアムでは、レスターに本社を置く「ウォーカーズ」のポテトチップスが無料配布された。味は「ソルト&ビネガー(Vinegar)」ではなく「ソルト&ビクトリー(Victory)」で、「Walkers」のロゴを「Winners」(勝者)にもじった優勝記念の一品だった。

 余波はこれだけではない。優勝が決まった翌日の地元紙『レスター・マーキュリー』は、市民が多く買い求めたことで昼前に完売。また、今月6日には来季用のユニホームの販売がオフィシャルショップで開始されているが、シャツを求めるサポーターが開店前から長蛇の列をつくった。最前列にいた男性は、明け方の3時半から並んだという。なお今季のユニホームは、先月の時点でホーム、アウェイ、サードとも完売。しかも生産打ち切りとなっていることから、サポーターから苦情の声があがっていた。

 そんな中、レスターの街で密かな人気を集めているのが、地元精肉店のつくる「ラニエリ・ソーセージ」だ。イタリア人のクラウディオ・ラニエリ監督の名からとったソーセージで、フェンネル(緑)とガーリック(白)、チリ(赤)のイタリアン・カラーをあしらったもの。このソーセージをラニエリ監督の記者会見に持ち込んだことでメディアに取り上げられ、人気の一品になったという。ちなみに、店主は熱狂的なレスターサポーターで「予想もしなかった」リーグ優勝を喜んでいるが、「数年前にシーズンチケットを手放した。今季がこんなことになるなんて…」と複雑な表情も浮かべていた。

 プレミアリーグ最終節は5月15日。翌16日にはレスター市内で優勝パレードが行われるだけに、フィーバーはもうしばらく続きそうだ。

(文・田嶋コウスケ)