献身的なプレーでこれまでチームを支えてきた岡崎(右)。エースを欠く次節は試合を決める働きを期待したい。(写真:Getty Images)
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 「チームにはとにかく、ハートと魂を込めてプレーすることを望んでいる。選手たちがピッチ上で全てを捧げてくれさえすれば、私は心から彼らを誇りに思うよ」

 レスターのクラウディオ・ラニエリ監督は、現地時間4月17日(以下現地時間)に行なわれたイングランド・プレミアリーグのウェストハム戦後にこう語った。激闘の末に2-2のドローに終わったこの試合で、レスターは指揮官の言葉通りの姿勢を示した。

 “奇跡”のプレミア制覇までいよいよあと勝ち点9に迫ったレスター。CLも狙える6位につけるウェストハムを本拠「キング・パワー・スタジアム」に迎えたこの日は、18分に得意のカウンターが炸裂。GKカスパー・シュマイケルのロングスローから手数をかけずに攻めると、ヌゴロ・カンテのラストパスを受けたジェイミー・ヴァーディが左足でネットを揺らす。試合は、レスターにとって理想的な展開で進むと思われた。

 しかし後半に入った55分、エリア内でアンジェロ・オグボンナと交錯して倒れたヴァーディが、ダイブの判定でこの日2度目の警告を受けて退場に。微妙なジャッジでエースを失ったチームは、84分にウェス・モーガンのファウルで与えたPKをキャロルに決められ同点に。するとさらにその2分後、今度はアーロン・クレスウェルに鮮やかなボレーを叩き込まれて1-2。直近5試合をいずれも無失点で勝ち続けたレスターも、さすがに敗戦濃厚に思われた。

 ところが、ここで終わらないのが今年のレスターだ。

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