プロ野球のパ・リーグは、開幕前に多くの評論家が本命視したソフトバンクが6連勝し、じわりと2位に浮上してきた。
今季はトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成した昨季より一見地味ながら、渋い働きでチームに多大な貢献(14得点リーグトップタイ、出塁率5割はトップ)をしているのが、柳田悠岐外野手だ。開幕戦から17試合連続で四球を選んで出塁。51年田部輝男内野手(西鉄)の15試合連続を65年ぶりに抜き、パ・リーグ新記録を樹立した。
連続試合四球の記録上位(2リーグ制後)には、王、落合博満、ペタジーニ、バースら球史に残るスラッガーが名を連ねる。投手からみれば「本塁打や長打を浴びるくらいなら、四球で歩かせてしまおう」という心理が働くのだろう。その中で、異彩を放つのが、これまでのパ・リーグ記録保持者、田部だ。柳田と同じ広島県出身で、NPBでの実働は1950年(昭25)から54年までの5年間。西日本、西鉄で通算449試合に出場し、319安打、35本塁打の内野手だが、知名度は高くないだろう。