バットを持って体をほぐすオリックス・吉田正尚(左)(C)朝日新聞社
バットを持って体をほぐすオリックス・吉田正尚(左)(C)朝日新聞社

 プロ野球は、話題の新人が活躍し、意外な選手が意外な部門でトップに立った1週間だった。

 まずはルーキー。セ・リーグは阪神ドラフト1位、高山俊外野手(明大)が、72年ぶりの記録を打ち立てた。3月31日のヤクルト3回戦(神宮)で初球を初回先頭打者本塁打。これがプロ初アーチとなった。プロ1号を先頭打者本塁打で飾った新人は15年の中村奨吾(ロッテ)以来10人目だが、初球を打ったのは1944年(昭和19年)の藤野義登(産業)以来72年ぶり2人目だった。

 ちなみに、藤野の所属した「産業」は聞き慣れないが、現在の中日ドラゴンズ。戦時中の資金難から1944年は理研コンツェルンの理研工業傘下に入り、「名古屋」から改称していた。理研コンツェルンは、現在のリコー三愛グループにつながる企業集団だ。

 パ・リーグの新人では、オリックスのドラフト1位、吉田正尚外野手(青学大)がドラフト制後(66年以降)のタイ記録をマークした。開幕戦から6試合連続安打は、81年原辰徳(巨人)01年佐藤友亮(西武)に並んだ。敦賀気比高時代は1年夏から4番で通算52本塁打。青学大でも東都リーグ1、2部通算17本塁打の長距離砲は、身長173センチと小柄だが、オリックスの先輩、門田博光氏をほうふつさせる高速スイングで右に左に安打を打ち分けている。

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