ただ2桁勝利もさることながら、前田にとって重要なのは「順調にいけば」のほうだ。契約が不利になった要因に故障の不安があったように、まずは中4日のローテーションでケガなく30試合前後に先発することが大事。これさえクリアすれば先発3番手としての仕事は全うしたも同然で、前述のアンダーソンと同等の成績はついてくるはずだ。1年目の成績は30試合に先発するという前提で、11勝10敗、防御率3.50と予想しておこう。
一方、今季のドジャースは先発陣の層に不安ありというチーム事情もある。エース左腕クレイトン・カーショーは磐石だが、ダブルエースだったザック・グリンキーは移籍。アンダーソンやブランドン・マッカーシー、柳賢振らが故障で開幕に間に合わず、カーショーと前田以外に計算できる先発投手は新加入のベテラン左腕スコット・カズミアーくらいしかいない。となれば、先発3番手という下馬評といえども、前田に役割を全うしてもらわなければ今季のドジャースは立ち行かないということだ。
シーズン中にはアンダーソンやマッカーシー、柳らも戦列に戻ってくる見込み。前田はそのときに序列が下がることがないよう、シーズン序盤から結果を出し続けて首脳陣の信頼を勝ち取っておきたい。