2点目も素早いタテパスから金崎のワンタッチ・プレーで清武が抜け出したもの。3点目は右サイドを崩した酒井宏のクロスが相手OGを誘発。4点目は右左CKのセットプレーから吉田が決めた。締めくくりの金崎の5点目は、交代出場のハーフナーが頭で落としたボールを決めものだった。中央突破あり、サイドからの崩しあり、さらにセットプレーとパワープレーからのバリエーション豊かな得点に、ハリルホジッチ監督も「美しい勝利だった」と自画自賛していた。

 恐らく指揮官は、2016年9月から始まるアジア最終予選を視野に入れてオプション増に着手したのだろう。29日のシリア戦は本田と香川がスタメンに復帰する可能性が高いが、指揮官はどのような布陣を採用するか。チーム内の競争は今後も激化することが予想される。

 最後に、この日はバックスタンド上段だけでなく、ゴール裏のサポーター席にも空席が目立った。前売り券が完売せずに当日券も発売されたが、それは2012年5月のアゼルバイジャン戦以来となる出来事だ。ファン・サポーターにしても、アフガニスタン戦よりはシリア戦を見たいだろう。この一事を持ってサッカー人気に陰りが見えたと断言するのは簡単だが、むしろこれまでが異常すぎたと言える。

 単なる親善試合やテストマッチに、5万人も6万人も観衆が集まるなどヨーロッパでは考えられないこと。そして、無得点で進んだ前半は、サポーターものべつ幕なし応援するのではなく、日本の試合展開をじっと見守っていた。これまでとは違うが、むしろ歓迎したい風景である。

(サッカージャーナリスト・六川亨【週刊サッカーダイジェスト・元編集長】)

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