経団連は2017年に卒業を予定している大学生の就職活動について、解禁時期を8月から6月へ前倒しすることを正式に決定した。今年、従来の4月から8月に日程を遅らせたばかりだが、たった1年で方針転換する形だ。
就職活動は就活生にとって挑戦でもあると同時に、あらゆる面で負担がかかる行事だ。特に希望する職種によっては、金銭面での負担も切実だ。例えば女性にとって憧れの職業の代名詞、フライトアテンダント。
就活事情に詳しい大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は、自著『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新聞出版)で、エアライン就活において、女子大生たちがどのように大金をつぎ込むことになるかを明かしている。
エアライン志望の学生の間では、大学内で催される航空業界セミナーのほかにも、エアラインスクールに通うのが基本。スクールは日本の航空会社系列企業が運営しているものもあるが、圧倒的に元フライトアテンダントが経営する個人塾が多いという。
本書によれば受講料は、航空会社系列企業の場合、およそ23万円(16回・24時間)から30万円(32回・60時間)。系列企業以外では、高いところでは40万円以上はする高額ぶりだ。しかし、これらはあくまで「本科」といわれるベースの値段。
さらに、オプションとして「別科」が存在する。英語対策が約30万円、面接強化フォローアップ1万5千円。他にも、空港へのインターンシップで3万~4万ほど別途料金がかかるなど、とかく“後付け”が多い。なお、就職浪人のためのコースも存在するようだ。
講義内容は、どの大学でも行っているような自己分析や面接のサポートをはじめ、日本語検定3級レベルの言葉使い(高卒程度)、発声法や振る舞いといった表現法が多いのだとか。ひどいところでは、講師の昔話や自慢話だけの役に立つとは言い難い講義もあるという。