「自分が知らない女の部分を引き出してくれたのが“彼”なんです。Facebookで知り合いました。実名も勤務先も顔もわかっています。通話機能で話したことはありますよ。でも電話番号は知りません。もちろんリアルで会ったことはありませんし会うつもりもありません。恐らく彼もそうではないかしら……」
3年前に偶然、SNS「Facebook」内のコミュニティーで知り合い、メッセージのやりとりから意気投合したという男性と、今では2日に1度はスマホの通話アプリやメッセンジャーといったアプリ機能を使ってやりとりしている。文字や会話のみならず、写真や動画交換も頻繁に行っているという。ヒロコさんが続けて語る。
「最初は他愛もないメッセージのやりとりの途中、やりとりを打ち切る意味で、『ではシャワーを浴びてきます!』とメッセージを入れたんです。そこからですね。関係が深まったのは……」
もう彼からの返信は来ないと思っていたヒロコさんだが、彼から思わぬ返信が届いた。
<今はもう、生まれたままの姿かな? 君のそんな姿をみてみたいです>
性的な内容を含むやりとりをしていたのでさほど驚くことはなかった。それに会ったことはないとはいえ3か月間、毎日のようにやりとりし、恋愛に似た感情も互いに持っている。信頼しているが、それでも所詮は「ネット上の人」だ。顔さえわからなければいいかと思った。
ヒロコさんは、鏡の前に立ち、顔を外した形でスマホでみずからの裸を撮影して、彼に送った。彼からは、すぐに「君は素敵だ!! 愛している!!!」とメッセージが送られてきた。女性として満たされた気持ちになった。その時の気持ちをヒロコさんは次のように明かす。