さらに「2013年(の種目別ゆか)で勝った後、次の大会では負けているので、来年も油断せずにもっと自分を磨きあげて上を目指したい」とし「自分はいろんな可能性を持っていると思うので、将来の自分が楽しみです」と、優勝してなお、さらなる高みを目指す姿勢をみせた。
そして続く種目別あん馬には、初出場ながら個人総合で10位と健闘した萱和磨が出場。白井と同じ大学1年生の萱は、団体、個人総合ともに初出場とは思えぬ安定した演技をみせ、日本の団体優勝にも大きく貢献した。
この日の種目別あん馬では、持ち味の安定感を発揮し、全く危なげのない演技をみせる。G難度の「ブスナリ」も成功させ、15.500の高得点を獲得した。3位で銅メダルを獲得し、萱にとって初の世界選手権は完璧といっていい内容となった。
表彰式の後「今日は今までの中で一番いい出来だったので出来はすごく満足しています」と話した萱。表彰台でみせたやや複雑そうな表情については「金メダルじゃないとうれしくないので」としながらも「でも内容は、これ以上の出来はないです」と振り返った。同い年の白井については「健三はゆかで、僕はあん馬で(種目別決勝に)出場しているので、お互いメダルを狙うというのは、言葉にしてはいないけど分かっていたと思う。今日はそれができてよかったです」と話した。
もともと安定感には定評のあった萱だが、それが世界に通用するレベルであることを証明した形となった。萱のほかにも、国内の白井と同世代、それに近い世代には、まだまだ強い選手が多く控えている。萱の活躍はそうした選手にとっても大きな刺激になったに違いない。今後は彼らの世代が、体操ニッポンを支えていくことになりそうだ。
(ライター・横田 泉)