そして、本田のゴールも特筆すべきはアシストした宇佐美貴史の判断だった。相手が疲れていると見るや、宇佐美は足に吸い付くようなドリブルではなく、一瞬のスピードを生かしてマークを振り切り本田の6点目を演出した。香川、山口、宇佐美のプレーに共通しているのは「緩急の変化」である。

 同じリズムのドリブルやクロスでは、相手も守っているうちにタイミングを覚えて対応してきてしまう。そこで重要なのが「チェンジ・オブ・ペース」だが、シンガポール戦とカンボジア戦の日本はあまりに正直すぎた。アフガニスタン戦は早い時間帯での先制点でチーム全体に余裕も生まれたのだろう。次のシリア戦も理想のプレーをすることや、監督への自己アピールにこだわらず、まず目の前の相手との戦いに全精力を注ぎ込むべきだろう。

 その意味で心配していたのが岡崎である。クロスに飛び込んだヘッドは首を振り過ぎてタイミングが合わず、こぼれ球への反応も焦っていたのかミスヒットのシュートが多かった。やっと後半57分に山口からの優しいパスでゴールを決めると、いつもの岡崎らしさが戻り3分後に5点目を決めた。こうなると、次は宇佐美や原口のゴールを期待したくなってしまう。

サッカージャーナリスト・六川亨)

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