プレ五輪イヤーの今年、さまざまなスポーツでリオ五輪の出場権を懸けた熱い戦いが繰り広げられている。新体操からは、世界的にも評価の高い美しい日本代表選手らが、五輪出場権をかけて闘う。
9月7日からドイツ・シュツットガルトで行われる第34回世界新体操選手権。この大会で、日本の新体操個人・団体のリオ五輪への出場の可否が決まる。
世界の中で、日本はいわば「新体操中堅国」だ。強豪国であるロシア、ベラルーシ、ウクライナ、ブルガリアなどには及ばないが、これらの国を追う中堅グループの中には位置している。しかし、この中堅グループ内の競争は熾烈で、「個人上位26人、団体上位14チーム」という五輪出場枠に入ることは、日本にとっては簡単ではない。(世界選手権で決定するのは個人15人、団体10チームのみで、残りは来年の五輪テストイベント、開催国、推薦などを考慮して決定される)
●モデル並みのスタイル リオ五輪での飛躍を目指す日本チーム
それでも、選手5人で演技する団体競技に関しては、2008年の北京五輪、12年のロンドン五輪と連続出場しており、ロンドン五輪では8位入賞した。着実に上位国との差を縮めてきている。今回の世界選手権に臨む「フェアリージャパンPOLA(日本選抜チーム)」は、ロンドン五輪を経験している大学生の選手を2人残しつつ、まだ高校生の若手選手も投入。バランスのよいメンバー構成になっている。昨年、ミス日本の特別賞を受賞した畠山愛理を筆頭にモデル並みのスタイルを誇る美しい選手たちで、かつては「日本人は体形的に不利」と言われていた時代とは隔世の感がある。
今回の世界選手権では「リボン×5」と「フープ&クラブ」の2種目の演技を行い、総合10位以内に入ればリオ五輪への出場が決まる。今シーズンのフェアリージャパンPOLAは、4月に行われたワールド杯の種目別リボンで銅メダルを獲得、総合でも入賞しており、「10位以内」は十分実現可能な目標といえる。演技をミスなくまとめ、自らの持つ力をしっかりと発揮することが、五輪出場権獲得の必須条件となる。
●世界から「美しい日本人選手」との評も 「破格の強化」進めた個人競技
団体競技よりも厳しい状況にあるのが個人競技だ。日本は、04年のアテネ五輪を最後に、五輪の個人競技への出場権を逃している状態だ。個人・団体そろって五輪に出場することは日本新体操界の悲願であり、そのために、ロンドン五輪直後から個人競技は思い切った強化策をとってきた。