超高齢化社会の到来、と言われて久しい日本社会。医療・介護の需要は増え、財政面でも医療費は増大する一方。団塊の世代が75歳以上の「後期高齢者」となる2025年は、すぐそこに迫っている。
医師であり、多摩大学大学院教授の真野俊樹(まの・としき)氏は、著書『こんな医者ならかかりたい――最高のかかりつけ医の見つけ方』(朝日新書)で、これからの医療に大きな役割を果たす「かかりつけ医」について取り上げている。
現代社会では、およそ8割の人が病院で亡くなっているが、終末期を迎える患者を、すべて病院で受け入れていては、人員面でも医療費の面でも負担が大きい。来るべき「超高齢・多死社会」への対応策として、政府が提唱しているのが、「時々入院、ほぼ在宅」だ。病院で死を迎えるのではなく、「かかりつけ医」や訪問看護師などがサポートし、患者はできるだけ在宅で治療・介護しようというものである。
「かかりつけ医」とは、気軽に通う事ができ、患者の病歴を把握し、万が一のときには大学病院や専門医へ紹介状を書いてくれるような、患者に寄り添って治療にあたる、患者と長い信頼関係を築く主治医のこと。
では、よいかかりつけ医に出会うためには、どうしたらよいのだろうか。すべてが理想的な医師であるはずがないことを考えると、患者側に「医者を見る目」が多少はあった方が良いと真野氏は述べている。例えば、利益追求思考の強い医師、人間性への配慮に欠ける医師、コミュニケーションに問題のある医師などは、見る目がなくても避けたくなりそうな医師ばかりだが、判断が難しい場合もあるという。