ふとテレビを見ていて思ったことがある。なぜ女子アナウンサーの服装は「あれっ!?」と思うほど不思議なコーディネートをしているのだろう……と。
真冬にもかかわらずノースリーブを着ていたり、真夏だというのにもう長袖を着ていたりと、どこか季節感が感じられないこともある。それだけではない。あるニュース番組に出演するひとりの女子アナを注意深く見ているとスタジオにいる時とロケに出ている時では、どうみても女子アナ本人によるコーディネートとは思えない。そんな組み合わせも時折見受けられる。
今の季節、たとえば、スタジオではオレンジ色無地一色、半袖のワンピースという素人目にも「誰かプロがコーディネートしたのだな」とわかるそれかと思えば、ロケ先ではTシャツにチノパンと、誰がみてもファストファッションの組み合わせと、女子アナらしからぬ、一見、“素人並み”のファッションで画面に登場することもある。
今回、そんな気になる画面の向こうにいる女子アナのファッション事情に迫ってみた。
「テレビの場合、全国キー局と地方局、BSで大きく違いますね。全国キー局だと衣装は局側がすべて用意してくれることがほとんどです。地方局だと自前での比率が高くなります」
こう話すのは全国キー局でニュースを読んでいるAアナウンサー(20代後半)だ。Aさんが話す「局側が用意してくれる衣装」とは、スポンサー企業が提供するケースと、“衣装さん”と呼ばれる服飾のプロ、スタイリストが持ってくるそれがある。どちらも無償での提供だ。もっともこの場合、女子アナ本人のファッションセンスはほとんど反映されない。女子アナは用意された衣装を着るだけだ。
とはいえ2008年のリーマンショック後の2、3年目以降、全国キー局といえども放送局も緊縮予算を強いられているのか女子アナの衣装、すべてが無償提供というわけにはいかなくなったという。
「かつては週5日出演で5日間、ジャケットとスカートの上下、両方局側が用意してくれたものです。ところが2010年頃から週5日中3日だけしか用意してもらえません。残り2日は自前の衣装か、いざ何かあった場合のために用意している緊急用の衣装を着ています」(前出のAアナ)
もっとも全身が映る場合、上下衣装をそろえてくれるが、通常、上半身しか映らない場合、スカートなど下の衣装は用意してもらえない。そのため、映像に映っていないところは自前の衣装だ。極端な話、上半身はジャケットでも下は自前のジーパンということもあるようだ。
ただし用意してもらった衣装にも気になるところはある。