看護師は全国どこでも働きやすい、売り手市場の職種だ。一度社会に出てから、看護師を目指す人も少なくない。看護師国家資格受験のため、専門学校や大学で看護教育課程を学ぶ道のりは同じだが、国も看護師育成を目標としているため、社会人から看護師を目指す人をサポートする仕組みがある。
大学や専門学校の社会人入試では、社会人としての経験や人格が重視され、学科試験が免除されるケースもある。大学卒業者には、取得済みの単位が免除される制度もあるし、学士編入のある大学では、2年生に編入が可能だ。
看護師を目指して大学へ進学する若者が増加傾向にあるのは知ってのとおりだが、社会人には専門学校が人気だ。専門学校は大学に比べて学費が安く、最短3年で看護師資格を取得できる。入学者に社会人経験者が多く、年齢層も比較的高いため、馴染みやすいというメリットもある。
学費が気になる社会人には、2014年10月からスタートした「専門実践教育訓練の給付金制度」をお勧めしたい。これは、雇用保険など一定の条件を満たせば、入学料や受講料など、経費の40%にあたる給付金(年間上限32万円)を最大3年間受けられるというもの。1年以内に就職に結びつけば、追加の支給もあるという。
子どもを持つ社会人のためには、母子家庭や父子家庭向けの「高等職業訓練促進給付金」がある。これは、親が学校に通っている間に給付金が支給されるというものだ。
看護は、保健や医療、福祉など看護の知識だけでなく、他の分野での経験も生かせる仕事だ。学校で身につけた教養はもちろん、社会人看護師にとっても、それまでの経験を生かして活躍しやすい土壌がある。看護師への道は社会人にも広く開かれている。
※週刊朝日MOOK「看護師になる」より抜粋