NHK連続テレビ小説「あまちゃん」ですっかり知名度を上げた岩手県。ドラマにも出てきた「まめぶ汁」だけでなく、漁場に近く、地味も豊かな岩手は郷土料理もバラエティ豊かだ。名物の多い岩手だが、実際に旅した人が選んだ郷土料理は何だろうか。
楽天トラベルが調査した「岩手県を旅した人が選ぶ!岩手県・旅めしランキング」によると、盛岡三大麺として有名な「盛岡冷麺」が断トツの1位に。麺が太くコシの強さが特徴の盛岡冷麺は、在日朝鮮人1世の青木輝人さんが1954年に始めたお店、「食道園」で出したのが最初だといわれている。スープは牛骨・鶏肉等を煮込んで味付けしており、具材は、キムチや、チャーシュー、さらに、スイカ、梨、リンゴなど甘みのある季節の果物が盛り付けられる。店によってスープの味も麺も異なっており、違いを楽しむ人も多いようだ。
続いて2位にランクインしたのは「前沢牛ステーキ」だ。きめ細やかな霜降りの極上な肉質と称されるブランド牛「前沢牛」は、「素材そのものが美味しい」との声が圧倒的に多く、調理法として最もシンプルなステーキが選ばれた。
3位の「盛岡じゃじゃ麺」は、盛岡冷麺と同じく盛岡三大麺の一つだ。平打ちの麺の上に肉味噌ときゅうりやねぎを乗せ、好みに合わせて生姜やにんにくなどで味つけする。「岩手以外でなかなか食べられない」との声が多かったが、実際に盛岡以外で盛岡じゃじゃ麺を食べようと思うと、至難の業かもしれない。
気になるのは盛岡三大麺最後の一つ「わんこそば」だが、短角牛ステーキと同票の7位にランクイン。一口大のそばを食べ終わる度に追加するという個性的なスタイルと、やはりその知名度が強みとなったようだ。
6位に選ばれた「金婚漬」は、岩手以外の人には馴染みが少ないかもしれない。芯をくりぬいたウリの中に、ダイコン・ニンジン・コンブなどを詰めて味噌漬けにしたものだ。漬物床の中で熟成させ、時間が経てば経つほどいい味になることから、夫婦になぞらえて「金婚」漬と名付けられたという説もある。
最も伝統的といえそうな岩手の家庭料理である「ひっつみ」は9位に。練った小麦粉をひっつまんで(手でちぎって)鍋や汁物に入れる製法がその名の由来で、もちもちの食感がクセになるという。
また、最も意外な郷土料理といえる「遠野ジンギスカン」が10位にランクイン。ジンギスカンといえば北海道を思い浮かべる人も多いだろうが、実は遠野市では50年以上も前からジンギスカンを食していたのである。遠野ジンギスカン元祖の店では、北海道のジンギスカンと全く関係ないところで始めただけに、お肉をタレに漬けたいわゆる“味付け”ではなく、焼いたお肉をタレにつけて食べる“後付け”が食べ方の基本となっているそうだ。
■岩手県・旅めしランキング
1位 盛岡冷麺 262票
2位 前沢牛ステーキ 176票
3位 盛岡じゃじゃ麺 118票
4位 海鮮丼 109票
5位 いちご煮 67票
6位 金婚漬 40票
7位 短角牛ステーキ 38票
わんこそば 38票
9位 ひっつみ 34票
10位 遠野ジンギスカン 26票