本田圭祐(c)朝日新聞社 @@写禁
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 失意のアジアカップ準々決勝敗退からACミランに戻った本田圭佑だが、彼の苦悩はいまだ続いているようだ。ミランは2月7日(日本時間8日)、3連覇中で今シーズンも首位を独走している王者ユベントス(勝ち点50)と対戦。本田はトップ下のポジションで90分間フル出場したものの1-3と完敗し、順位も10位(勝ち点29)に後退した。

 アジアカップで本田が不在中のミランは5試合も勝利から遠ざかっていた。ようやく本田が復帰した前節は最下位のパルマに「3-1」と勝利したが、試合途中から本田に与えられたポジションは「4-3-3」の左MFだったため十分に機能したとはいえなかった。

 というのも、アジアカップで本田の不在を見越したフィリッポ・インザーギ監督は、1月の移籍マーケットでスペインのアトレチコ・マドリーから快足FWのA・チェルチをレンタルで獲得した。試合開始時は本田が右MF、チェルチが左MFだったものの、彼の主戦場は右サイドのため、本田は押し出される格好で左MFにコンバートされた。本田の持ち味はミランでも日本代表でも、カットインからサイドバックの攻撃力を引き出す動きにある。

 しかし左サイドバックのS・ボッケッティも1月27日に補強したばかりの選手。本田とのコンビネーションを望むのは酷というもので、ほとんど攻撃参加しない。このため本田は左サイドで孤立することが多く、ゴールシーンに絡むことはできなかった。

 こうして迎えたユベントス戦でインザーギ監督は「4-3-3」から「4-2-3-1」とシステムを変更し、本田にはトップ下を任せた。ユベントスの司令塔A・ピルロをマークしつつ、本田と1トップのJ・メネスとのホットラインからショートカウンターを指揮官は狙ったのかもしれない。しかし28分に右CKからこの試合がデビュー戦となった左サイドバックのL・アントネッリが同点ゴールを決めるのが精いっぱい。前半31分に勝ち越しゴールを許すと、後半の20分にも追加点を決められて、チームとしての完成度の差を見せつけられた。

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