この冬もインフルエンザの流行が心配されるが、みんなどんな対策を講じ、どんな治療を望んでいるのだろうか。健康日本21推進フォーラムは、0~15歳の子どもを持つ母親2,000人と20~60代の一般成人の男女600人、計2,600人を対象に、インフルエンザに関するインターネット調査を実施した。その結果、「母親の3人に2人が、インフルエンザに対して不安感がある」「点滴や吸入などの治療法の認知度は低いが、1回や短時間で済むといった特徴を知ると魅力がアップする」「医師には重症化の可能性まで考えた、しっかりとした治療を望む」など、予防と治療に対する本音が明らかになった。

 まずはインフルエンザに対する不安から見ていこう。母親の3人に2人(64.9%)がインフルエンザに対し「不安を感じている」。一般成人では39.2%に留まり、母親の方がインフルエンザに対する不安が大きい。特に3歳以下の子どもを持つ母親は「非常に不安を感じている」人が33.2%と多い。  大きな不安は早めのしっかりとした予防策につながる。母親の約6割(61.1%)は、予防接種、帰宅時のうがい、人ごみを避けるなど「インフルエンザが流行する前から」の予防対策を実施。母親の9割以上(91.2%)がインフルエンザに対して何らかの予防策を講じている。一方で、一般成人の4人に1人(26.3%)は予防を行っておらず、インフルエンザへの危機意識が低いと言える。

 インフルエンザの治療で医師に望むことは母親(46.3%)、一般成人(31.5%)共に「重症化の可能性まで考えた、しっかりとした治療」だ。その治療法としては水と一緒に口から飲む経口薬の認知度が高いが、点滴薬(病院での点滴)や専用の吸入器に口をつけて吸う吸入薬についてはあまり認知されていない。

 インフルエンザ治療薬の服用・使用意向を聞いたところ、母親では、情報提示前は経口薬(22.6%)の服用・使用意向が高いが、治療薬に関する情報を提示すると点滴薬の服用・使用意向が5.1%にから29.6%まで上昇した。点滴薬については経口薬や吸入薬に比べて、その特徴や認知度が低かったものの、情報を得て特徴を知ることで魅力が高まっている。特に「病院で1回、約15分の点滴だけで治療が完了する」「病院内での投与のため、薬の副作用が起こった時にも医師がいて安心できる」という点などが高く評価されたようだ。

 もちろん、年齢や症状などそれぞれの患者によって望ましい治療法は異なり、医師の指示に従うことが大切だ。しかし、患者側から治療方法や薬のリクエストをしてはいけないというわけではない。同調査では「治療薬の特徴をしっかり理解し、子どもや自分自身にとって最善の治療に臨むことが重要」とまとめている。