永遠のライバルである早稲田大学と慶應義塾大学。ひとたびOB、OGが集まれば「早慶どちらが優れているか」で盛り上がる。私学の雄として互いに切磋琢磨してきた歴史がある。そこで今回、入試志願者数から就職率、早慶戦まで数字で徹底比較。果たして最新のデータは何を語るのか。
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「慶應を絶対に阻止してやると意気込んでいましたね」(早稲田関係者)
昨年の六大学野球秋季リーグ。早慶戦はいつにない盛り上がりをみせていた。
慶應は、最終週の早慶戦の前まで8戦8勝。勢いに乗る慶應は早慶戦を制して、全勝優勝を決めるはずだった。慶應はプロ入りが目されている選手をそろえ、圧倒的に優勢とみられており、「この早慶戦で、(全勝優勝を示す)ソックスの白いラインがもう1本増えるな」と慶應関係者はささやき合っていた。
早慶戦1戦目は7‐1で慶應の完勝。だが、2戦目は6‐4で早稲田が勝ち、意地で全勝を食い止めたかっこうだ。そして最終日の3戦目。慶應は2限以降の授業が応援のため休講。早稲田も多くの学生が自主的に授業を休んで駆けつけていた。
試合は5回まで早稲田が慶應を追う展開。そこから、早稲田は6回に同点、9回にサヨナラ安打を放ち、慶應に勝利した。リーグ戦では慶應が優勝したものの、早稲田が早慶戦で一矢報いた。早稲田大競技スポーツセンターの石井昌幸所長はこう語る。
「早慶戦となると、実力以上の力が出ると言われています」
早稲田と慶應。早慶戦に限らず、私学の雄として互いに切磋琢磨してきた歴史がある。そこで今回、最新データをそろえて、さまざまな切り口で両大学の現状を徹底比較してみた。
まずは、今年の入試の志願者数や倍率、直近の偏差値からみていこう。
受験生の安全志向から両大学とも志願者数は、昨年より減っている。ただ、慶應は直近30年で最も少ない数字だった。倍率も早稲田のほうが高い。
大学通信の安田賢治常務はこう分析する。
「早稲田の田中愛治総長は講演を行い、メディアにも出るなど積極的に話題を提供している。話題になれば、受験生にも情報が届くし、志願者も集まる、人気も出るというものです」
次に偏差値をみてみよう。経済学部や商学部など同じ学部で比較すると、早稲田の偏差値が高い傾向にある。しかし、慶應には早稲田にはない強みがある。
「慶應には医学部があるし、偏差値は一番高いんだよ」(慶應OB)
確かに医学部は72.5。東京大学理一や理二より難しいとも言われる。さらに総合政策学部と環境情報学部も72.5で、私学の最難関となっている。