宿のほうは問題なかった。その時点では無条件でキャンセルを受け付けてくれる契約だったからだ。よく利用する予約サイトの個人ページにアクセスし、キャンセル手続きをするだけである。日本語なので、その点でも安心だ。
いまひとつ、タイ国鉄の寝台券をキャンセルしなければならない。こちらはタイ語か英語での扱いだが、予約サイトは何度も利用してきたものの、キャンセル手続きははじめてなので、ちょっと慎重にならざるをえない。
とりあえずタイ国鉄公式サイト画面からログインし、「Ticket History」とあるのを見つけたのでそこをクリック。すると予約・購入済みのチケットナンバーや列車番号、日付、区間などとともに私の氏名が表示された。画面に「Cancellation Fee20%」とあり、「随分と割高なキャンセル料だな」と思ったが(それ以外にシステム利用料が30バーツ=約90円がかかる)、それがあることによって逆にキャンセル手続きとしてここまで間違っていないと確信できた。
そこで、画面下にあるアイコン「Confirm Cancellation」をクリックすると、チケットナンバーとキャンセル日の日付、払い戻し額が表示されたので「OK」をクリックすればいいだけの手続きであった。
キャンセル手続きが成功すると、乗車券上に「Cancelled」と記されたPDFファイルが画面上で入手できたほか、別途メールでも送付されてくるなど、安心して取引をすることができた。もっとも、最初の手続きではエラーが発生し、2度ほどやり直すハメになった。したがって、手続き後に再度「Ticket History」をチェックするなど、誤りがないか確認を怠ってはならないなと再認識させられたのだが……。
■悪化の一途を辿る市民感情
航空券のキャンセルが済んだところで井上さんにその旨を一報。すると、現地の状況が日増しに「悪化」しているとの情報が入った。
「当地の日本人への風当たりはどんどん厳しくなっており、日本から来タイした場合の14日間ルールを厳密に運用する会社も増えてきました」
「14日ルール」とは、日本でも報じられていたが、到着後に無症状であってもホテルや自宅などで症状観察をせよというタイ当局からの「軟禁指示」である。そんな背景から、「まぁ、今回は仕方がないですね」と井上さんとも納得するほかはなかったのである。