鉄道の運休も相次ぐ。在来線も新幹線も、指定席が半分も埋まらない列車が相次いでいる/高松市 (c)朝日新聞社
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 新型ウイルスの感染拡大でリーマン・ショック以来の打撃を受ける日本経済。「バブル崩壊」との指摘もある中、早期の立て直しには思い切った経済対策が不可欠だ。AERA2020年3月30日号は、経済の専門家たちに意見を求めた。

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 イベントや外出の自粛が広がり、オンライン関連などを除き消費マインドは冷え込む一方だ。日本経済はどこへ向かうのか。

「いま起きているのはバブルの崩壊です」

 こう話すのは経済アナリストの森永卓郎さん(62)だ。

 世界同時株安の引き金となったのは新型ウイルスの感染拡大だが、本質はバブル経済の崩壊だというのだ。2019年の世界経済の成長率は国際通貨基金(IMF)の推計で2.9%とリーマン・ショック以降最低水準に落ち込んだ。にもかかわらず、2月にNYダウは史上最高値を更新した。3月に入り世界同時株安が進んでいるが、バブルが崩壊するとき市場は必ずオーバーシュート(過剰反応)する、と森永さんは警告する。

「日経平均株価はリーマン・ショック時の7千円台まで下がる可能性もあります。値下がりは金や不動産などの金融商品にも波及していくでしょう」

 森永さんは世界経済の立て直しにも時間がかかると見る。

「リーマン・ショックのときは、中国が天文学的な投資を重ね、世界経済を活性化する救世主になりました。しかし、今の中国にそんな体力はありません。景気回復には10年以上かかる可能性もあります」

 だが森永さんは、そんな事態に陥らないためのシナリオが存在すると指摘する。

「私が政策担当者であれば、4月の1カ月間、みんな休め、と巣ごもりを発令して確実に感染拡大を抑えます。政府が覚悟さえ決めれば可能です」

 出入国を封じ、交通機関も止め、稼働させるのは電気、ガス、水道とごみ収集といった最低限のライフラインのみにする。この間の国民の生活補償はすべて政府が担い、その後は無期限で消費税を停止する──というシナリオだ。森永さんは言う。

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