東大を目指し始めた時期を見ていこう。最も多かった回答は「高1」で386人(32%)。「中3」以前に東大を目指し始めた人数の合計は307人(25%)だった。その内、「就学前」と回答した人も31人(3%)もいた。6割近くの合格者が早い段階で東大を目指していたことがわかる。
そのきっかけについて尋ねると、「担任の先生の勧め」(文三・栄東)、「周りに目指している人が多かったから」(理一・西)、「父親が東大卒で幼少から身近な大学だった」(文二・女子学院)など、親や先生に勧められたり、友人に触発されたり、身近にロールモデルがいたりした合格者が多いようだ。受験の第一歩を踏み出すうえで、環境からの影響や恩恵は大きいといえるだろう。
大学などが主催するイベントもきっかけになっていた。「オープンキャンパスに参加し、農学部で学ぶ内容に興味を持った」(理二・桜蔭)、「Techno Edge(東大工学部の学生らが実施するイベント)に参加し、東大の環境に知的好奇心を刺激された」(文二・日比谷)などの回答があった。
意外と多かったのが、漫画『ドラゴン桜』の影響。2003年から連載された漫画で、主人公が教師として東大合格のためのノウハウを伝授、低偏差値の学校から多くの東大合格者が輩出する物語だ。「『ドラゴン桜』を見て自分も行けるのではないかと思い始めた」(理一・静岡)などの回答があった。
「クイズに賢そうな東大生が出ていたこと」(理三・灘)という回答も多かった。近年はクイズ番組で現役東大生が登場することが多く、イメージ向上につながっているようだ。
「将来なりたい職業」についても尋ねた。文系では「国家公務員」が179人(35%)でトップ。次いで「法曹」が103人(20%)だった。理系では「研究者」が405人で58%を占めた。「国家公務員」や「法曹」は最近は人気が落ちたとはいえ、多数を占めていた。
「経営者」という回答も、文系では71人(14%)、理系では89人(13%)と多かった。理三の合格者でも、「医者」だけではなく、併せて「経営者」と答える人が少なくなかった。