一斉休校が開けても親の不安は大きくなるばかりだ。感染リスクだけでなく、子どもたちの学習の遅れや学力差といった学習面での心配も広がっている。AERA2020年4月13日号は、親たちの不安の声を聞いた。
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東京都西東京市で暮らす、小学3年と5年の子を持つ女性(44)は、学校の再開を待ち望んでいたが、不安が的中した。
「6日の始業式に行ったら、またゴールデンウィーク明けまで休校。親も子ももう限界です」
フリーランスで働き、週4日勤務の仕事に就く。臨時休校に当たり、勤務先と相談し週2日は在宅勤務にした。
「1カ月間だけと思ってどうにか調整しましたが、これ以上はもう無理です。4月には大きな仕事が控えていて、在宅勤務ではとても乗り越えられません」
3月2日、国からの突然の要請で始まった臨時休校。春休みも合わせた1カ月の長い休暇がようやく明ける──。と思いきや、都市部を中心に新型コロナウイルスの感染が加速。東京の都立校や大阪の府立校などは5月6日まで休校を延長。市区町村の小中学校も追随するところが少なくない。再開する場合でも、「また、すぐに休校にならないか」「学校で子どもが感染しないか」など、親たちは不安に揺れる。
なにより、子どもは距離を取れといっても無理だ。外出自粛が続く中、学校で集団で学ぶことは感染リスクという点では大きな不安だ。休校も学校再開もどちらも親にとっては大きなストレスなのだ。
不安を大きくする要因の一つは「学習の遅れ」だ。東京都大田区の女性(46)は、休校直前に開かれた小学校の保護者会で担任にこう言われ慌てた。
「算数で終わっていない単元がありますが、難しくないので親御さんが教えてあげてください」
学校で単元が終わらなかったケースは少なくない。それに対する具体的な対応がわからないことも親の不安を大きくしている。京都市は3月中旬、7時間授業や夏休みの短縮を発表。ネットで賛否の声が上がったが、市内に住む小学4年と中学1年の母親は、賛同する。
「7時間でも土曜授業でも、なんでもいいから遅れを取り戻してほしい」